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Ⅲ 腰痛治療

Ⅲ 腰痛治療

1.医療機関での腰痛治療について

整形外科の外来通院では、次のような治療が一般的です。

  • 薬物療法
    消炎鎮痛剤を外用(湿布薬、塗り薬、座薬)または内服で用います。
  • 理学療法
    温熱療法や牽引など、物理的な刺激を与える方法です。
  • 神経ブロック
    病みのある局所、痛みを感じる神経などに、局所麻酔薬を注入して痛みを緩和する方法です。
  • 生活指導
    急性期では安静を保つ注意、コルセットの着用などがアドバイスされます。
  • 手術
    上記の方法で改善しなかったり、何度も再発をくり返したりする場合は手術が検討されます。「椎間板ヘルニア摘出術」では、背中を縦に3~5㎝開き、はみ出した髄核を除去します。その他には、切開の長さが2㎝足らずで済む、内視鏡による手術も行われています。

しかし、上記の治療方法は本当に適切なのでしょうか。新潟大学医学部教授の安保先生は次のように仰っています。『腰痛は、腰の「筋力低下」や「過労」で起こるケースと、精神的な「ストレス」で交感神経が緊張して痛みに発展するケースがあります。筋力が低下すると、ちょっとした動作を行うだけで筋肉が疲労しやすくなります。筋肉が疲労すると血液中に疲労物質などの老廃物が出る影響で血管が収縮し、血流が悪くなります。体を休めたときなどに血管が開き、患部に血液が一気に押しかけるときに痛みが現れることもあります。痛みは不快ですが、これは筋肉疲労から脱却する治癒反応です。このとき、「消炎鎮痛剤」や「湿布薬」を使って血流を止めてしまうと、「筋肉疲労」がいつまでも回復しないため腰痛は治りません。コルセットをつけると腰がシャンとして楽になったような気がしますが、「腰を締めつけることで血流障害は悪化し、筋力はさらに低下して、治癒からますます遠ざかってしまいます。』 「椎間板ヘルニア」や「腰椎すべり症」など、腰椎の変形による痛みも、つまるところは血流障害が原因です。血流障害が慢性化すると組織破壊が進み、腰椎の変形に拍車がかかってしまうのです。最近は精神的なストレスによって腰痛を訴える人もふえ、「心療内科」での治療も行われるようになりました。こちらも、ストレスで「交感神経」が緊張し血流障害によって痛みが起こります。「すべての腰痛の解決法は、血流を回復させることです。消炎鎮痛剤や湿布薬はやめ、コルセットも使わないようにすべきです」とは、新潟大学医学部教授の安保先生のご指導です。

 ギックリ腰などで、立てないほど痛みがある時は、痛みがおさまるまで安静を保ちます。痛みが楽になった後は、あくまでも無理のない範囲で、腰痛改善のための「運動療法」や「整体療法」を行うべきなのです。毎日、少しずつでも続けると、ーカ月くらいで治っていきます。腰を冷やさないように「温熱療法」を行うことも治癒を促進することにつながります。

2.簡単にできる腰痛治療

 一日中パソコンの画面を見ている人や細かな手作業に従事している人は、どうしても姿勢が固定しがちで腰に無理がかかります。長時間同じ姿勢を取り続けていると、背中から腰にかけての筋肉の血流が悪くなって疲労物質が筋肉組織にたまり、腰が重だるくなったり痛みが生じたりします。
  筋肉疲労による腰痛は、薬剤を用いずに「指圧」・「鍼灸」・「マッサージ」・「ツボ療法」などで治すこともできますが、日ごろのセルフケアでも充分に対処することができます。デスクワークにかかりきりという人は、50分に一度はストレッチで腰の緊張をほぐしましょう。一度にまとめてやるより、こまめに行うほうが疲労がたまりません。脊椎を支えている筋肉や腹筋の筋力が低下すると腰が反りやすくなり、腰痛を起こす一因となりますから、軽い体操を習慣づけて腹筋に力をつけておくと、腰痛予防になります。「痛み止めの薬が交感神経を刺激して全身の血流障害を招き、これが腰痛の原因になっている場合もあります。常用している人は、鎮痛薬を中止すべきです」と安保先生は指導しています。
 『治療でもっとも大切なことは、腰部の血流を回復させることです。血流が回復すると、体が自分で傷んだ箇所を修復します。したがって、血流を悪化させるコルセットはお勧めしません。』
 「ヘルニア治療」の中心となるのはリハビリです。痛みが急性期の半分くらいになれば、筋力トレーニングをスタートします。

 無理のない範囲で筋肉を動かしていくことで、少しずつ筋肉に強さが戻り、血流もよくなります。(ヘルニアで)手術が必要な人は、全体の10~15%です。神経の圧迫が強いケースでは基本の治療で治らないこともあります。そのような場合は神経ブロック(痛みの起こる未梢神経に麻酔薬を注入し、痛みを止める治療法)を併用するか、手術が必要になることもあります。再発を予防するには、普段の姿勢も大切です。腰の筋肉は縦に、背骨と平行に走っています。
 そのため、体を横に動かすと筋肉に負荷がかかって痛みが悪化したり、再発したりします。そこで、患者さんにはいつも体を縦に動かすように意識してもらいます。たとえば、拭き掃除であれば手を左右ではなく前後に動かします。雑巾を絞るときも、手を上下にして縦に絞ります。布団を上げ下ろしする際は、足を横に広げないで前後に開きます。台所の調味料は横に並べないで、縦に並べると手も縦方向に動くようになります。家庭で行う腰部のストレッチも良いでしょう。

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